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定年後の仕事|継続雇用・シルバー人材・パート・起業・住み込みリゾートバイトまで選択肢を中立に比較

最終更新:2026年6月4日
定年後の仕事|継続雇用・シルバー人材・パート・起業・住み込みリゾートバイトまで選択肢を中立に比較のイメージ

「定年が近づいてきた。次の仕事をどうするか、そろそろ決めなければいけない——でも選択肢が多すぎて、何を基準に考えればいいか分からない」

定年という節目を前に、そう感じている方は少なくないはずです。継続雇用、シルバー人材センター、パートやアルバイト、起業、そして住み込みで働くリゾートバイトまで、形はさまざまです。どれが自分に合うかは、ライフスタイル・健康状態・収入の必要額によって変わります。

先に結論をお伝えします。定年後の働き方に「正解は一つ」ではありません。自分のペース・体力・目的に合った選択肢を選ぶことが、長く無理なく働き続けるための出発点です。

総務省統計局「統計からみた我が国の高齢者」(2025年)によると、65歳以上の就業者数は930万人で21年連続増加・過去最多となっています。定年後に働き続けることは、特別なことではなく多くの人が選んでいる現実です。その選択肢の全体像を、この記事で俯瞰してください。

選択肢が見渡せると、「自分にはこれが合いそう」という見通しが立ちやすくなります。それが、次の一歩への自信につながります。


定年後の仕事、主な選択肢は5つある

定年後の働き方は、大きく次の5つに分類できます。

選択肢雇用形態収入の安定度体力・時間の自由度
継続雇用・再雇用雇用(同一社)比較的安定低め(既定の勤務)
再就職(他社)雇用(転職)会社・職種による中程度
シルバー人材センター請負・委任低め〜中程度高め
パート・アルバイト雇用(短時間)勤務時間による高め
起業・フリーランス自営低め〜高め(幅広い)自分次第
住み込みリゾートバイト派遣・雇用期間中は安定期間・勤務地を選べる

それぞれの中身を順に見ていきます。


継続雇用・再雇用:もっとも手堅い選択肢

職場で同僚と話しながら笑顔で書類を確認する60代の男性
慣れた職場で続けることは、心理的なハードルが低い選択肢のひとつです。

定年後に同じ会社でそのまま働き続ける形が「継続雇用」です。高年齢者雇用安定法の改正により、企業は65歳までの雇用確保措置(定年延長・継続雇用制度の導入・定年廃止のいずれか)が義務とされており、さらに70歳までの就業機会確保が努力義務として加わっています。

継続雇用のメリット

  • 仕事の内容・職場の人間関係・通勤ルートがそのまま引き継がれるため、環境変化のストレスが少ない
  • 雇用保険・社会保険の継続加入が見込めるケースが多い
  • 仕事の流れに慣れているため、立ち上がり期間がいらない

継続雇用の注意点

継続雇用では、定年前より給与水準が下がることが一般的です。職務内容は同じでも、役職が外れて賃金が大幅に下がるケースもあります。事前に雇用条件(給与・勤務形態・業務内容)を確認し、年金収入と合わせた生活設計を立てることが大切です。

また、在職老齢年金の仕組みにより、厚生年金に加入して一定水準を超えた収入がある場合は年金の一部が調整されることがあります。詳しくは年金・税金のお金の話で整理しています。


シルバー人材センター:地域密着の公益就業

シルバー人材センターは、都道府県知事の指定を受けた公益法人で、原則60歳以上の方が会員登録して、地域内の仕事を請け負う仕組みです(全国シルバー人材センター事業協会が各地の運営を支えています)。

主な仕事の例:庭木の剪定・草刈り・清掃・施設の管理・PCサポート・家事援助など。

シルバー人材センターのポイント

  • 地元で働けるため、通勤の負担が少ない
  • 働く日数・時間を比較的自分で調整しやすい
  • 収入は「配分金」という形で支払われ、雇用契約とは異なる(労働基準法上の労働者ではない)
  • 収入は一般に月3〜5万円程度の範囲が多く、主な収入源というより補完的な位置づけに適している

シルバー人材センターの詳細(入会方法・就業時間の目安)は、各市区町村のシルバー人材センター窓口か、公益社団法人全国シルバー人材センター事業協会の公式サイトで確認できます。


パート・アルバイト:柔軟な時間で働く

スーパーのレジ・コンビニ・清掃業務・軽い事務補助など、シニアが多く活躍している職種でパートやアルバイトとして再就職する方法です。週に何日働くかを自分で選びやすく、体力と相談しながら調整できる点が多くの人に選ばれる理由です。

パート・アルバイトで気をつける点

  • 雇用先によって時給・待遇・社会保険の加入要件が異なる
  • 所定労働時間が週20時間以上かつ月額8.8万円以上(2026年10月以降は週20時間以上のみ)などの要件を満たすと社会保険の加入対象になる
  • 年収が一定額を超えると配偶者の扶養や健康保険の被扶養者から外れる場合がある

収入と年金・扶養の関係は複雑なため、働き方を決める前に勤務先のコーディネーターや、年金事務所・税務署に確認しておくと安心です。


起業・フリーランス:自分の裁量で働く

定年を機に、長年のキャリアや得意分野を活かして独立する選択肢です。コンサルティング・翻訳・デザイン・教育・料理・ものづくりなど、スキルや経験を活かせる分野は多岐にわたります。

起業・フリーランスの現実

自由度が高い反面、収入は安定しません。最初の数年は赤字になることも珍しくなく、退職金や貯蓄を生活費として使いながら軌道に乗せる期間が必要なケースがほとんどです。

起業を選ぶ場合は、退職金の使途・事業計画・社会保険の切り替え(国民健康保険・国民年金)を事前に整理することが先決です。中小企業基盤整備機構(中小機構)や各地の商工会議所が提供する相談窓口が、起業前の情報収集に役立ちます。


退職金:受け取った後の資金設計が大事

厚生労働省「就労条件総合調査」(2023年)では、勤続20年以上かつ45歳以上の定年退職者のうち大学・大学院卒(管理・事務・技術職)の退職給付額(退職一時金・退職年金の合計)の平均は1,896万円と公表されています。ただしこの平均は学歴・職種・企業規模・勤続年数によって大きく異なるため、自社の退職金規程を人事部門で確認することが最初のステップです。

退職金は一括受け取り(退職一時金)と年金受け取りを選べる場合があります。税制上の扱い(退職所得控除)が異なるため、受け取り方の選択は税理士や年金事務所に相談するのが安全です。

退職金を受け取った後の資金計画は、働き方の選択肢とセットで考えると見通しが立てやすくなります。例えば、生活費の大半を退職金で賄いながら週2〜3日のパートで社会参加する人もいれば、退職金を手堅く温存しながらできるだけ長く就労収入を確保する人もいます。正解はなく、自分のライフプランに合わせた選択が大事です。


住み込みリゾートバイト:定年後の選択肢として

温泉地の旅館前で穏やかな笑顔で立つ60代のスタッフと山の遠景
場所を変えて働くという選択肢は、生活のリフレッシュにもなります。

定年後の選択肢の一つとして、住み込みでリゾート地の宿泊施設や観光施設で働くリゾートバイトがあります。温泉地・高原・離島などで一定期間(1か月〜数か月)住み込みながら働く形で、派遣会社を通じて登録する方法が一般的です。

リゾートバイトが向いている人

  • 定年後の拠点にこだわらず、新しい環境で過ごしたい
  • 住み込みで生活費(家賃・食費)を抑えながら収入を得たい
  • 短い期間(1〜3か月程度)試してみたい

リゾートバイトで確認が必要な点

  • 体力的に負荷が少ない職種(大浴場清掃・スパ受付・売店・裏方・軽作業)を選ぶことが重要
  • 勤務先によって寮環境(個室か相部屋か・食費の扱い)が異なる
  • 地方・山間部では通院や買い物が不便な立地もある

リゾートバイトは「体力がある時期の数か月を試す」という感覚で選ぶ人が多く、長期的な主な仕事として位置づけるよりも、セカンドキャリアの入口や転換期のつなぎとして利用するパターンが見られます。

住み込みリゾートバイトの全体像はシニアのリゾートバイト完全ガイドで詳しく解説しています。60代以降の方特有の就業ポイントは60歳以上のリゾートバイトを合わせてご覧ください。


定年後の働き方を選ぶ3つの軸

どの選択肢が自分に合うかを考えるとき、以下の3つを整理すると判断しやすくなります。

軸1:収入の必要額

年金収入と生活費の差額がいくらかを最初に把握します。差額が月5万円程度までであれば、週2〜3日のパートで補える場合があります。差額が大きいほど、フルタイムに近い働き方か、住み込みで生活費を圧縮する働き方が選択肢になります。

内閣府「令和7年版 高齢社会白書」では、60代の就労意向者の中で「収入が必要」という動機が多数を占める一方、「生きがいや社会参加のため」という動機も相当数いることが示されています。収入だけでなく、働く目的を確認することも大切です。

軸2:体力・健康状態

60代前半と60代後半では体力の差があります。現状の健康状態と、今後10年でどう変わるかを念頭に置いて、体への負荷が調整できる働き方を選ぶことが長続きのポイントです。年代別の現実的な選び方は60代の仕事、65歳以降の年金との両立を軸にした働き方は65歳からの仕事で詳しく整理しています。

継続雇用・パートは勤務時間を調整しやすく、シルバー人材センターは日数を選びやすいです。住み込みリゾートバイトは職種選択が鍵で、負荷の少ない職種を選べば体力の不安は和らぎやすくなります。

軸3:場所と時間の自由度

「地元を離れたくない」「孫と近くにいたい」という方には継続雇用・シルバー人材・地元パートが合います。「一度くらい全く違う場所で暮らしてみたい」という方には、住み込みリゾートバイトや期間限定の転職が選択肢になります。

自由度への優先度と制約を整理するだけで、選択肢はかなり絞り込まれます。


定年後 よくある質問

Q. 定年後も働くことにどんなメリットがありますか?
A. 収入の補完だけでなく、生活のリズムが保たれる・社会とのつながりが続く・目的感・生きがいが生まれる、という面も多くの就労者が挙げます。内閣府「令和7年版 高齢社会白書」では、収入のある仕事をしている60歳以上の83.7%が70歳ごろあるいはそれ以上まで働きたいと回答しており、定年後の就労意欲は広く共有されています。

Q. 退職金はどのくらいもらえますか?
A. 厚生労働省「就労条件総合調査」(2023年)では、勤続20年以上かつ45歳以上の定年退職者のうち大学・大学院卒(管理・事務・技術職)の退職給付額(退職一時金と年金の合計)の平均は1,896万円と公表されています。学歴・職種・企業規模・勤続年数によって大きく異なります。自社の退職金規程を人事部門に確認することが先決です。

Q. 定年後に再就職するときの注意点は何ですか?
A. 再就職では、前職より給与水準が下がることが多い点、雇用形態(正規・非正規)によって待遇が異なる点、在職老齢年金の仕組みで収入と年金の合計が一定水準を超えると年金が調整される点などを事前に確認しておくことが大切です。年金との兼ね合いは日本年金機構または年金事務所で確認するのが確実です。

Q. シルバー人材センターとシニア向けアルバイトは何が違いますか?
A. シルバー人材センターは高齢者の就業機会の確保を目的とした公益法人で、原則として60歳以上が会員登録して請負・委任形式で働きます。雇用契約に基づくパート・アルバイトとは異なり、労働基準法上の労働者とは扱いが異なります。就業の形態・収入の安定性・保障の有無が異なるため、どちらが自分に合うかを検討したうえで選ぶ必要があります。


まとめ

  • 65歳以上の就業者は930万人で21年連続増加(総務省統計局「統計からみた我が国の高齢者」2025年)。定年後に働き続けること自体は珍しくなく、選択肢も多様になっている
  • 継続雇用・シルバー人材・パート・起業・住み込みリゾートバイトはそれぞれ収入安定度・自由度・体力への負荷が異なる。どれが合うかは「収入の必要額・体力・場所への自由度」の3軸で判断すると絞り込みやすい
  • 退職金の受け取り方(一時金か年金か)は税制上の扱いが異なるため、事前に確認が必要。大学・大学院卒(管理・事務・技術職)の平均額は1,896万円だが学歴・職種・勤続で個人差が大きい(出典:厚生労働省「就労条件総合調査」2023年)
  • 住み込みリゾートバイトは、職種を選べば体力的な負荷を抑えやすく、住み込みなら生活費も圧縮しやすい。試してみるなら会社選びと職種選びが最初の分岐点

「定年が来たから働き方を変えなければ」ではなく、「自分のペースで次の形を選べる」という見方もできます。選択肢の全体を見渡した後、自分に合う一手を選んでください。

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